相続・終活 用語辞典100選——知っておくべき専門用語

相続や終活の記事を読んでいると、「遺留分」「寄与分」「限定承認」「路線価」——聞き慣れない専門用語が次々と出てきます。用語の意味がわからないと、記事の内容も、専門家の説明も、頭に入ってきません。

この用語辞典では、相続・終活で頻出する100の専門用語を6つのカテゴリに分類し、それぞれ1〜3行で簡潔に解説しました。ブックマークしておいて、わからない言葉が出てきたらいつでも参照してください。


相続手続き・基礎用語(25語)

# 用語 解説
1 被相続人(ひそうぞくにん) 亡くなった人のこと。相続される側。
2 相続人(そうぞくにん) 被相続人の財産を受け継ぐ権利を持つ人。配偶者は常に相続人、子→親→兄弟姉妹の順位がある。
3 法定相続人(ほうていそうぞくにん) 民法で定められた相続権を持つ人。配偶者+第1順位(子)、第2順位(直系尊属)、第3順位(兄弟姉妹)。
4 法定相続分(ほうていそうぞくぶん) 民法が定める相続割合の目安。配偶者と子1人なら各1/2。遺産分割協議で変更可能。
5 代襲相続(だいしゅうそうぞく) 本来の相続人が先に亡くなっている場合、その子(被相続人の孫)が代わりに相続すること。
6 遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ) 相続人全員で遺産の分け方を話し合うこと。全員の合意が必要。
7 遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ) 協議の結果を記載した書面。全員の実印と印鑑証明書が必要。不動産登記や銀行手続きに使う。
8 相続放棄(そうぞくほうき) 相続する権利を一切放棄すること。家庭裁判所に申述。期限は原則3ヶ月。
9 限定承認(げんていしょうにん) プラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産(借金)を引き受ける方法。相続人全員で申述が必要。
10 単純承認(たんじゅんしょうにん) 財産も借金もすべて引き受けること。何もしなければ自動的に単純承認になる。
11 熟慮期間(じゅくりょきかん) 相続放棄・限定承認を判断するための期間。相続開始を知った日から3ヶ月。伸長申立て可能。
12 相続財産(そうぞくざいさん) 被相続人が所有していた財産の総体。プラス(預金・不動産・株式)とマイナス(借金・保証債務)の両方を含む。
13 みなし相続財産 民法上は相続財産ではないが、相続税法上は相続財産とみなされるもの。生命保険金・死亡退職金など。
14 遺贈(いぞう) 遺言書によって財産を他人に譲ること。相続人以外にも可能。
15 死因贈与(しいんぞうよ) 「自分が死んだらこの財産をあげる」という生前の契約。遺贈と似ているが、双方の合意が必要。
16 特別受益(とくべつじゅえき) 被相続人から生前に受けた贈与のうち、相続分の前渡しとみなされるもの。婚姻・養子縁組・生計の資本としての贈与。
17 寄与分(きよぶん) 被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした相続人に認められる、法定相続分に加算される取り分。
18 特別寄与料(とくべつきよりょう) 相続人以外の親族(例:長男の妻)が介護等で貢献した場合に請求できる金銭。2019年民法改正で新設。
19 相続欠格(そうぞくけっかく) 殺人や遺言書の偽造など、重大な非行をした相続人の相続権が法律上当然に失われること。
20 相続廃除(そうぞくはいじょ) 被相続人が家庭裁判所に申立てて、特定の相続人の相続権を剥奪すること。虐待・重大な侮辱が要件。
21 戸籍謄本(こせきとうほん) 戸籍の全部事項を証明する書類。相続手続きでは被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要。
22 除籍謄本(じょせきとうほん) 全員が転籍・死亡等で除かれた戸籍の証明書。被相続人の過去の本籍を辿る際に必要。
23 改製原戸籍(かいせいげんこせき) 法改正により作り直される前の古い形式の戸籍。「はらこせき」とも読む。
24 法定相続情報一覧図 法務局が発行する、相続人の一覧を証明する書類。戸籍の束の代わりに各種手続きで使える。無料で複数枚取得可能。
25 準確定申告(じゅんかくていしんこく) 亡くなった人のその年1月1日〜死亡日までの所得を、相続人が代わりに確定申告すること。期限は死亡後4ヶ月。

相続税・贈与税の用語(20語)

# 用語 解説
26 相続税(そうぞくぜい) 相続・遺贈で取得した財産に課される税金。基礎控除を超える部分に課税。税率10〜55%の累進課税。
27 基礎控除(きそこうじょ) 相続税の非課税枠。3,000万円+600万円×法定相続人の数。この額以下なら申告不要。
28 配偶者の税額軽減 配偶者が相続した財産のうち、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方まで相続税がかからない特例。
29 小規模宅地等の特例 自宅の土地の評価額を最大80%減額できる特例。居住用330㎡まで。適用には一定の居住要件あり。
30 路線価(ろせんか) 道路に面した土地の1㎡あたりの評価額。国税庁が毎年発表。相続税の土地評価に使う。時価の約80%が目安。
31 倍率方式 路線価がない地域の土地評価方法。固定資産税評価額×一定の倍率で計算。
32 贈与税(ぞうよぜい) 個人から財産を無償で受け取った場合に課される税金。年間110万円の基礎控除あり。
33 暦年贈与(れきねんぞうよ) 毎年110万円の基礎控除を利用して少しずつ財産を渡す贈与方法。
34 相続時精算課税制度 60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与で、累計2,500万円まで贈与税を非課税とし、相続時に精算する制度。2024年改正で年110万円の基礎控除が追加。
35 生前贈与加算(持ち戻し) 相続開始前の一定期間内の贈与を相続財産に加算して相続税を計算する制度。2024年から段階的に7年に延長。
36 名義預金(めいぎよきん) 口座名義は家族だが、実質的に被相続人の財産と判断される預金。税務調査で最も指摘されやすい項目。
37 二次相続(にじそうぞく) 配偶者が亡くなった後に発生する2回目の相続。配偶者の税額軽減がないため、一次相続より税負担が重くなりやすい。
38 申告期限 相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内。
39 延納(えんのう) 相続税を一括で払えない場合に、分割で納付すること。担保の提供と利子税の支払いが必要。
40 物納(ぶつのう) 現金の代わりに不動産等の現物で相続税を納めること。延納でも困難な場合のみ認められる。
41 過少申告加算税 申告した税額が少なかった場合に課される罰則的な税。追加税額の10〜15%。
42 重加算税 故意に財産を隠す等の悪質な場合に課される罰則的な税。追加税額の35〜40%。
43 税務調査 税務署が相続税の申告内容を調査すること。申告後1〜2年後に実施されるケースが多い。実施率は約10〜15%。
44 書面添付制度 税理士が申告書に「この計算根拠はこうです」と説明書面を添付する制度。税務調査の省略・軽減につながることがある。
45 債務控除 相続財産から差し引ける債務。借入金、未払い医療費、葬式費用など。

遺言書・信託の用語(15語)

# 用語 解説
46 遺言書(いごんしょ / ゆいごんしょ) 被相続人が生前に財産の分配方法を指定する法的書類。自筆証書・公正証書・秘密証書の3種類。
47 自筆証書遺言 遺言者が全文を自筆で書く遺言書。費用がかからないが、方式不備のリスクがある。法務局保管制度あり。
48 公正証書遺言 公証人が作成する遺言書。費用がかかるが、最も確実。証人2人が必要。紛失・偽造のリスクがない。
49 遺言執行者(いごんしっこうしゃ) 遺言の内容を実現する役割を担う人。遺言書で指定するか、家庭裁判所が選任。預金解約・登記等を行う。
50 検認(けんにん) 自筆証書遺言を家庭裁判所で確認する手続き。遺言書の偽造・変造を防止する目的。法務局保管の遺言は不要。
51 遺留分(いりゅうぶん) 法定相続人に保障された最低限の取り分。配偶者・子は法定相続分の1/2。兄弟姉妹には遺留分なし。
52 遺留分侵害額請求 遺言等で遺留分を侵害された相続人が、侵害額に相当する金銭を請求すること。2019年改正で金銭請求に一本化。
53 家族信託(かぞくしんたく) 家族間で財産の管理・運用を委託する信託契約。認知症対策として注目。裁判所が関与しない。
54 委託者(いたくしゃ) 家族信託で財産を託す人(通常は親)。
55 受託者(じゅたくしゃ) 家族信託で財産の管理を任される人(通常は子)。
56 受益者(じゅえきしゃ) 家族信託の利益を受ける人。委託者本人が受益者になることが多い(自益信託)。
57 信託口口座(しんたくぐちこうざ) 信託財産を管理するための専用口座。受託者個人の財産と分別管理される。
58 死後事務委任契約 死後の各種手続き(葬儀手配・解約・遺品整理等)を専門家に委任する契約。おひとりさまに特に重要。
59 負担付遺贈 「ペットの世話をすること」等の条件を付けて財産を渡す遺贈。条件を履行しなければ取消しが可能。
60 エンディングノート 自分の希望や情報を書き留めておくノート。法的効力はないが、家族への情報伝達ツールとして有用。

不動産・登記の用語(15語)

# 用語 解説
61 相続登記 不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続き。2024年4月から義務化(3年以内)。怠ると過料。
62 登記事項証明書 不動産の登記内容を証明する書類。旧称「登記簿謄本」。法務局で取得。
63 登記識別情報 不動産の所有者を証明する12桁の番号。旧「登記済証(権利証)」に代わるもの。
64 固定資産評価証明書 市区町村が発行する不動産の評価額を記載した証明書。登録免許税の計算に使う。
65 登録免許税 不動産登記にかかる税金。相続登記の場合は固定資産評価額の0.4%。
66 配偶者居住権 配偶者が被相続人の自宅に無償で住み続ける権利。2020年4月施行。所有権と分離して設定。
67 共有持分 1つの不動産を複数人で所有する場合の各人の所有割合。共有不動産は売却・管理で揉めやすい。
68 代償分割 不動産を1人が取得し、他の相続人に代償金(現金)を支払う分割方法。
69 換価分割 不動産を売却して現金化し、相続人で分配する方法。
70 現物分割 財産をそのまま相続人に割り当てる方法。「不動産は長男、預金は次男」など。
71 不動産鑑定評価 不動産鑑定士が行う公式な評価。路線価や固定資産評価額とは異なり、時価に近い。
72 借地権 他人の土地を借りて建物を建てる権利。借地権にも相続税がかかる。
73 空き家特例(3,000万円控除) 相続した空き家を売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例。
74 農地の納税猶予 農地を相続した場合に、農業を続ける限り相続税の納付が猶予される制度。
75 所有者不明土地 登記簿上の所有者が不明または連絡がつかない土地。相続登記の義務化の主な背景。

終活・葬儀・お墓の用語(15語)

# 用語 解説
76 終活(しゅうかつ) 人生の終末に向けた準備活動の総称。遺言書作成、保険見直し、葬儀準備、エンディングノート作成など。
77 生前整理 生きているうちに自分の持ち物や財産を整理すること。遺品整理(死後に遺族が行う)とは区別される。
78 デジタル終活 SNS・ネット銀行・サブスクリプション等のデジタル資産を整理すること。パスワードリストの作成を含む。
79 家族葬 近親者のみで行う小規模な葬儀。一般的に10〜30名程度。費用は50〜100万円が目安。
80 一般葬 親族・友人・会社関係者など広く参列者を招く従来型の葬儀。費用は150〜200万円程度。
81 直葬(ちょくそう) 通夜・告別式を行わず、火葬のみを行う葬儀形式。費用は10〜30万円と最も安価。
82 生前予約 自分の葬儀の内容・費用をあらかじめ葬儀社と契約しておくこと。
83 樹木葬 墓石の代わりに樹木をシンボルとする埋葬方法。費用は10〜80万円。永代供養付きが多い。
84 納骨堂 遺骨を室内に安置する施設。ロッカー型・自動搬送型など。費用は30〜150万円。
85 永代供養(えいたいくよう) 寺院や霊園が遺族に代わって永続的に供養・管理すること。後継者がいない場合に適する。
86 墓じまい 既存のお墓を撤去し、遺骨を別の場所に移すこと。改葬許可証が必要。
87 改葬(かいそう) 遺骨を現在の墓地から別の墓地に移すこと。市区町村の改葬許可が必要。
88 散骨 遺骨を粉末化して海や山に撒く供養方法。法律上は明確な規定がなく、自治体の条例に従う。
89 香典(こうでん) 葬儀で渡す金銭。原則として相続財産には含まれず、喪主の収入とされる。
90 喪主(もしゅ) 葬儀を主催する人。法律上の定義はなく、慣例として配偶者または長男が務めることが多い。

法律・裁判所の用語(10語)

# 用語 解説
91 家庭裁判所(かていさいばんしょ) 家事事件(遺産分割・相続放棄・成年後見等)を扱う裁判所。各都道府県に設置。
92 遺産分割調停 遺産分割協議がまとまらない場合に、家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う手続き。
93 遺産分割審判 調停が不成立の場合に、家庭裁判所の裁判官が分割方法を決定する手続き。
94 成年後見制度 判断能力が不十分な人の財産管理・身上監護を支援する制度。法定後見(後見・保佐・補助)と任意後見がある。
95 任意後見契約 判断能力があるうちに、将来の後見人を自分で選んでおく契約。公正証書で作成。
96 法定後見 判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人を選任する制度。後見・保佐・補助の3類型。
97 特別代理人 未成年者と親権者の利益が相反する場合(同じ相続の当事者等)に、家庭裁判所が選任する代理人。
98 不在者財産管理人 行方不明の相続人がいる場合に、家庭裁判所が選任するその人の財産管理者。
99 相続財産清算人 相続人がいない場合に、家庭裁判所が選任する相続財産の管理・清算を行う人。旧「相続財産管理人」。
100 民法(みんぽう) 相続に関する基本的なルールを定めた法律。第5編「相続」(第882条〜第1050条)が相続法の中核。

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4士業の違いと使い分けは「[相続の専門家ガイド](/cross/senmonka-guide/)」で詳しく解説しています。

Q2. 用語を調べても理解できない場合はどうすれば?

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※本記事は2026年3月時点の法令に基づいています。

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