【確定申告シーズン】相続税申告・準確定申告チェックリスト

毎年2月〜3月は確定申告シーズン。税務署の前に行列ができるこの時期、「そういえば、親の相続税の申告はどうすればいいんだろう?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

相続に関連する「申告」は、実は3種類あります。それぞれ期限も届出先も異なるため、混同すると手続き漏れにつながります。この記事では、確定申告シーズンに改めて確認すべきチェックリストを整理します。


相続で必要な3つの「申告」を整理する

まず全体像を把握しましょう。

申告の種類 対象 期限 届出先
準確定申告 亡くなった人の最後の年の所得 死亡を知った日から4ヶ月以内 被相続人の住所地の税務署
相続税申告 相続財産が基礎控除を超える場合 死亡を知った日から10ヶ月以内 被相続人の住所地の税務署
相続人の確定申告 相続した不動産の売却益など 翌年3月15日 相続人の住所地の税務署

最も注意が必要なのは「準確定申告」の4ヶ月期限です。 通常の確定申告(3月15日)と混同して放置すると、加算税・延滞税の対象になります。


準確定申告チェックリスト(死後4ヶ月以内)

対象者の判定——あなたは準確定申告が必要か?

以下のいずれかに該当する場合、準確定申告が必要です。

  • [ ] 亡くなった人の年収が2,000万円を超えていた
  • [ ] 2箇所以上の会社から給与を受けていた
  • [ ] 不動産所得(家賃収入など)があった
  • [ ] 年金以外の所得が20万円を超えていた
  • [ ] 個人事業主だった
  • [ ] 株式の譲渡益があった

1つでも該当すれば準確定申告が必要です。

必要書類チェックリスト

  • [ ] 亡くなった人の源泉徴収票(勤務先から取得)
  • [ ] 年金の源泉徴収票(日本年金機構から届く)
  • [ ] 不動産所得の収支内訳書
  • [ ] 医療費の領収書(1月1日〜死亡日まで)
  • [ ] 生命保険料控除証明書
  • [ ] 相続人全員の氏名・住所・マイナンバー
  • [ ] 委任状(相続人が複数いる場合、代表者以外は委任状が必要)

医療費控除の特例

亡くなった人が死亡日までに支払った医療費は、準確定申告で医療費控除を受けられます。死亡後に相続人が支払った医療費は対象外です(相続人自身の確定申告で控除可能)。

入院費用の精算が死亡後になるケースが多いため、支払日が死亡日の前か後かを確認してください。


相続税申告チェックリスト(死後10ヶ月以内)

基礎控除で判定——相続税申告は必要か?

相続税には基礎控除があります。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

相続財産の総額がこの基礎控除額を超えなければ、相続税の申告は不要です。 ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用して基礎控除以下になる場合は、特例の適用を受けるために申告が必要です。

必要書類チェックリスト

  • [ ] 被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本一式
  • [ ] 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
  • [ ] 遺産分割協議書(または遺言書の写し)
  • [ ] 不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書
  • [ ] 預貯金の残高証明書(死亡日時点)
  • [ ] 有価証券の評価証明書
  • [ ] 生命保険の支払通知書
  • [ ] 借入金・未払金の残高証明書
  • [ ] 葬儀費用の領収書

税理士に依頼すべきケース

以下のいずれかに該当する場合は、税理士への依頼を強くおすすめします。

  • 相続財産に不動産が含まれる(評価額の計算が複雑)
  • 相続財産の総額が1億円を超える
  • 小規模宅地等の特例を適用する
  • 名義預金の疑いがある
  • 相続人間で遺産分割がまとまっていない

相続税申告の税理士報酬は、遺産総額の0.5〜1%が目安です。詳しくは「[相続税に強い税理士の選び方](/souzoku-soudan/zeirishi-erabi/)」をご参照ください。


確定申告シーズンを活用して効率的に進める

税務署の相談窓口を活用する

確定申告期間中(2月16日〜3月15日)は、多くの税務署で相続税の相談窓口も設置されています。予約制の場合が多いので、事前に電話で確認しましょう。

また、国税庁の電話相談センターでは、相続税に関する一般的な質問に対応しています(自動音声で案内後、担当者につながる)。

e-Taxの活用

準確定申告はe-Taxでも提出可能です。ただし、相続人が複数いる場合の委任関係の入力が複雑なため、初めての場合は税務署の窓口での提出が安心です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 準確定申告の期限を過ぎてしまいました。どうなりますか?

期限後でも申告は可能ですが、無申告加算税(原則15〜20%)と延滞税が課される可能性があります。気づいた時点ですぐに申告してください。「期限内に申告する意思があった」ことを示すため、税理士を通じて提出することをおすすめします。

Q2. 相続税の申告期限(10ヶ月)までに遺産分割がまとまりません。

遺産分割が未了でも、申告期限は延長されません。 法定相続分で仮の申告・納税を行い、遺産分割確定後に更正の請求(還付)または修正申告を行います。この場合、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付することで、後から適用を受けられます。

Q3. 親は年金だけの収入でした。準確定申告は必要ですか?

年金収入が年間400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下の場合は、原則として確定申告不要です(確定申告不要制度)。ただし、還付を受けられるケース(高額な医療費を支払った等)では、申告した方が有利な場合があります。


確定申告シーズンは、相続の税務を整理する絶好のタイミングです。このチェックリストを活用して、漏れのない申告を進めてください。

→ [準確定申告の手続きガイド](/souzoku-tetsuzuki/jun-kakutei-shinkoku/)

→ [相続・終活の無料相談先まとめ](/souzoku-soudan/muryou-soudan-matome/)


※本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。税制は毎年改正されるため、最新情報は国税庁HPまたは税理士にご確認ください。

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